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季節の生薬について

生薬とは、植物・動物・鉱物などの天然物を簡単に加工して用いる薬のことを指しますが、ほとんどの生薬は薬草や薬木といった植物由来です。もちろん植物によって旬は異なるため、春夏秋冬、それぞれの季節の生薬があると言えます。ここでは季節ごとに、生薬として用いられる薬草と薬木を紹介いたします。

春の薬木 スイカズラ:スイカズラ科生薬名:金銀花(キンギンカ)忍冬(ニンドウ)

  • 春の薬木 スイカズラ:スイカズラ科
  • 春の薬木 スイカズラ:スイカズラ科

スイカズラは全国いたるところに見られる常緑の蔓性植物です。管状の花を摘み、細いほうから吸うと甘い味がするので、スイカズラと呼ばれています。 晩秋に葉と茎を刻み、天日で乾燥させたものが、生薬の「忍冬」です。抗菌、抗炎症、鎮痙作用などが知られています。「忍冬」の名は、対生の葉が寒い冬にも枯れずに耐え忍ぶことからきています。 4~5月ごろの花の時期に、できる限り蕾を摘み、風通しの良い日陰で乾燥したのが、生薬の「金銀花」です。金銀花は忍冬と同じ効き目があります。スイカズラの花は、咲き始めは白く、次第に黄色くなってきます。この白と黄色の花の取り合わせが、金銀花の名の由来です。 金銀花をホワイトリカーに漬け込んだのが「忍冬酒」と呼ばれ、利尿作用があることから、膀胱炎、腎疾患に飲まれるほか、強壮・強精作用も期待されます。奈良県大神神社では、毎年4月18日に催される鎮花祭(薬まつり)の参列者に、この「忍冬酒」が振舞われます。 なお、スイカズラ(忍冬)は、俳句では初夏の季語となっています。 忍冬二花づつのよき香り高野 素十
紀伊見ゆる古き峠のすひはづら高繁泰次郎