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家庭薬ロングセラー物語

奥田家下呂膏発売開始年:1934(昭和9)年企業ロゴ

痛むところに 奥田家下呂膏
商品の歴史と説明

歴史

岐阜県飛騨地方にある下呂温泉は有馬・草津と並ぶ日本三名泉のひとつであり、温泉街から離れた奥深い自然の中で接骨医奥田又右衛門は痛む患者の為に代々施術を承継している。そこで家伝薬として調合されていたのが『奥田家下呂膏』の始まりであり、現在も連綿として受け継がれている、生薬配合の消炎鎮痛貼付剤である。
下呂温泉の郊外東上田地区において代々継承されている奥田又右衛門は、当代屈指の名接骨医で、中でも5代目(現7代目の祖父)は名声高く、技術は神技と称えられ全国から患者が絶え間なく訪れたといわれる。明治19年12月に生まれ、幼名は五郎吉と呼ばれた。明治30年4月、わずか12歳で父を失い、亡父の名(又右衛門)を継承したが、その年齢迄において家伝の秘術の伝授を父から受け体得していた。以後請われるままに施術して実地の修練を重ねたのであるが、ここに集まる患者は、既に他所で治療を受け、骨折は治癒したが、運動時の違和感を訴えて施術を請う者が往々にしてあった。そうした者も、1回あるいは数回の治療で、脚部や体部がことごとく正常に回復して帰る姿が日常のこととされていた。昭和初期には全国から毎日200名を超える患者が集まり、診察の順番待ちの為に近所の民家は民宿として開放した。その数7軒であり、温泉街とはまた異にした風景がそこにはあった。

【(昭和10年代)初期下呂膏パッケージ東上田膏】 【(昭和48年)初期下呂膏パッケージ】

その5代目は家伝の秘薬を門外不出として固く守っていたが、多数の患者から世に出すことを懇望され、昭和9年に奥田又右衛門膏本舗の前身となる「六合社」を設立し、『奥田家下呂膏』の前身となる「東上田膏」として認可を受け、初めて上市された。昭和20年には戦時統制令で岐阜県製薬(旧大洋薬品工業、現武田テバ製薬)に統合(後に分割)、その年に5代目は息を引き取った。その後、紆余曲折ののち昭和47年、7代目は母の希望であった奥田又右衛門という名を後世に残すため、株式法人として『奥田又右衛門膏本舗』を設立、奥田家を冠した『奥田家下呂膏』として製造承認を得た。昭和50年には下呂膏や貼り膏薬特有の貼り跡を目立たなくした姉妹品として白の下呂膏を、更にはクマザサ・薄荷を配合し清涼感が肌に伝わる緑の下呂膏を世に出した。

日本の貼り薬の原型:特徴

本品の主成分は黄柏(キハダの樹皮)・楊梅皮(ヤマモモの樹皮)であり、粘着成分に松脂(ロジン)、基剤に胡麻油といった生薬成分で構成される。黄柏は通常内服として使用されることが多いが、これはアルカロイドのベルベリンによる抗菌作用や消炎性収斂作用を期待し止瀉薬・苦味健胃薬に配合されている。また外用としても打ち身・捻挫に古来より使用されている。これもベルベリンの抗炎症作用を期待し消炎鎮痛剤に配合されている。漢方処方では内服で黄連解毒湯や温清飲、外用で楊柏散や中黄膏がある。また日本特有の家庭薬としても内服で陀羅尼助、百草、正露丸、外用で下呂膏、万金膏がある。下呂温泉は御嶽山麓の岐阜県側に位置し、キハダ(黄柏)が容易に入手できたという環境もあった。また百草は御嶽山麓の長野県側にあり「はら薬の百草・貼り薬の下呂膏」といわれるのは、両剤の主成分が黄柏であることからこのように伝わっているのであろう。楊梅皮は主に外用として捻挫や打撲に利用する。これはタンニンの収斂作用によるもので、黄柏と併用では漢方294処方の楊柏散(浅田家方)も外用剤で黄柏・楊梅皮・犬山椒の成分構成である。

【明治時代の店舗】

貼り膏薬の中では黄柏の含有量が比較的多く、万金膏等と比較し真っ黒ではなく黄色がかっていることも特徴である。また岐阜県は美濃和紙・山中和紙の産地で、下呂膏はこの美濃和紙に生薬を塗り延ばしている。通気性が良く肌になじみ程よく固定されるため、テーピング作用を併せ持つ形となっている。この和紙も当初は、特有の雲龍模様がまばらに点在したため、展延工程で膏体の貼布量が微妙に異なることもあった。その為約20年前からは雲龍模様(いわゆるザル)を極限にまで排除するよう製紙業者と綿密に打ち合わせたり、生薬の粉末の大きさを検討したり、製法や工程は全く変わらずとも、日々検討を重ねている。

【下呂膏の成分と店内】

奥田家下呂膏の効能は、打撲痛、捻挫痛、肩こり痛、関節痛、筋肉痛、神経痛、リウマチ痛、腰痛である。これらの症状でも特につらい痛み等で下呂膏は著効を発揮する。薬局やドラッグストア等の店頭だけでなく、接骨院等でも施術に利用されている。一方奥田又右衛門が接骨医の為、あかぎれ・しもやけ等の適応を取得しなかった。万金膏などの膏薬にはこの適応があり、あかぎれには使えないか?といった問い合わせが多くある。更に昔は貝殻や竹の皮に膏薬が入った製品が存在したためか、冬場になると未だに全国からの問い合わせが多くある。
なお奥田家下呂膏(黒)は肌に貼り跡がどうしても残るので、初めて経験される方は主成分・適応症は同じで製法を改良した白の下呂膏(白光)から奨めている。

近年は・・・

【下呂膏3種】 【下呂膏液】

近年は岐阜・愛知・北陸だけでなく、首都圏や関西のドラッグストアで気軽に手にとることができるようになった他、海外からのインバウンドの需要が多く、下呂膏が海外で直接販売されているわけでもないのに、指名買いがよくあるようです。それも貼り跡が目立たない白の下呂膏ではなく、黒い貼り跡が残るオリジナルタイプに人気がある。よくよく聞いてみると、中国には同様のタイプの膏薬がごまんとあるそうだが、訪日客に聞くと下呂膏は知っているという。どういう具合で入手されたかは不明だが、親や祖父母が下呂膏を気に入ってよく貼っていたそうで、その懐かしい思い出が蘇り自分と家族へのお土産にするという。また当初から変わらず、かかりつけの医師・薬剤師に相談し、最後に下呂膏にたどり着く方も未だに多く、お客様相談室への問い合わせもその類が主となっております。そういった意味においても、家庭薬を含むセルフメディケーション推進の重要性を肌で感じる毎日です。

商品紹介

商品の特徴

  • 黒の下呂膏として親しまれる奥田家下呂膏は生薬配合の貼り薬です。
  • 神経痛や関節痛、腰や肩等慢性化した症状がみられる患部を直接治療いたします。
  • 和紙を採用していますので、患部を適度に固定し、痛みを和らげます。
第3類医薬品 ※パッケージは変更する場合がございます。
第3類医薬品 ※パッケージは変更する場合がございます。
商品詳細(一例)奥田家下呂膏
効能・効果打撲痛、捻挫痛、肩こり痛、関節痛、筋肉痛、神経痛、リウマチ痛、腰痛
用法・用量
  • 体温よりやや高めに加温したのち、適宜患部に貼布する。
成分・分量
  • 1枚(10.5cm×23.5cm)中
    オウバク末0.1200g
    ヨウバイヒ0.0289g
添加物
  • 胡麻(ゴマ油)
    松脂(ロジン)
    その他1成分
注意事項
  • 本品は、黒い貼り跡が肌に残ったり、衣服に付着しやすい特徴があります。衣服は衣料用ベンジンで、お肌はクレンジングオイルで除去できます。初めて御使用される方は貼り跡が目立たないタイプの白光の御使用を強く推奨します。

株式会社奥田又右衛門膏本舗の工場見学もぜひご覧ください。
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