●ア−ス製薬の歴史
ア−ス製薬は1892年(明治25年)に大阪で「木村化学」として創業し、1929年(昭和4年)に家庭用殺虫剤「ア−ス」を発売後、業界での地位を築いていました。しかし1969年(昭和44年)に会社更生法を申請するほど経営不振に陥りました。1970年(昭和45年)に大塚製薬グル−プが資本参加し、1973年(昭和48年)に社運をかけて開発した「ごきぶりホイホイ」が爆発的に売れ、当時の年商を上回わるヒット商品となりました。その後、独創的な新製品の開発が会社への貢献と発展に大事であることを教訓に、「世界にないものをつくる」を合言葉に新製品の開発に邁進してまいりました。
●衛生害虫の被害
1970年代は高度経済成長を経て、集合住宅や暖房効率の向上などでゴキブリの天下となっていました。夜、明かりをつけると壁際を素早く走り回り、家具・調理具などの狭い隙間に逃げ込むので駆除するのも容易ではありませんでした。当時、部屋の物陰に潜んでいるゴキブリを一度に駆除処理ができる殺虫剤として、燻煙剤が広く使用されていました。この燻煙剤は、殺虫成分と燃焼剤が顆粒状に造粒され缶に詰められており、そして上方の着火剤に点火すると、煙化した殺虫剤の粒子が部屋の隅々まで到着するように設計されたものでした。しかし煙が多く、火災と誤認され消防自動車が出動したり、また降下灰が多く、事前の準備が大変であるなどの問題点がありました。
●ア−スレッドの誕生
ア−ス製薬では、殺虫剤メ−カ−として永年培われた実績のもとに、火を使わずに化学反応熱を利用した新しいタイプのゴキブリ駆除剤の開発に取り組みました。その結果、新東京国際空港(現成田空港)が開港した1978年(昭和53年)に、5つの基本コンセプトを満足させる加熱蒸散殺虫剤「アースレッド」を完成させました。1)高い有効性とともに、人畜への安全性を確保する。2)殺虫効果の優れたガスを、火を使わずに発生させる。3)使用時に発生する白煙の量を少なくするとともに、眼・鼻・喉への刺激をなくする。4)家具及び室内装飾品への汚染をなくする。5)経済性を確保する。
30年経過した現在は害虫用途別に総合害虫駆除用、ゴキブリ徹底駆除用及びダニ・ノミ徹底駆除用の3種類、そして用途別ごと部屋の大きさが6〜8畳用、12〜16畳用、18〜24畳用及び30~40畳用と、各々4タイプの製品構成とし、お客様の要望に応えています。
●加熱蒸散殺虫剤の特性
アースレッドの蒸散システムは空気中に一度に殺虫成分の粒子を揮散させ、部屋の隅々まで広げる原理で、従来の燻煙剤と基本的には同じです。しかし火を使わず、生石灰と水の化学的な発熱反応を利用し、殺虫顆粒成分を加熱して蒸散させるところが大きく異なっています。これら蒸散パタ−ンの特徴は吸水から生石灰との発熱反応、そして殺虫顆粒成分の溶融蒸散の一連の化学反応に約1分間の時間を要します。水に浸してから白煙が噴出するまでの約1分間の時間は実際に処理する人が、揮散した殺虫剤の煙に曝されることのない貴重な時間となっています。この間に室外に出ればよい訳で、米国EPA(環境庁)でも評価されています。
●アメリカで発売
1986年(昭和61年)、S.C.ジョンソン・アンド・サン社(ジョンソンワックス)は、「アースレッド」を全米で発売することになりました。米国内における商品名は「Raid Fumigator」です。ジョンソン・ワックスではア−ス製薬が特許を持つ燻蒸殺虫法を数百回に及ぶ実験により、この商品の優秀性に着目し、米国市場への導入を決定、製造販売することになりました。現在も販売し続けられています
●大塚正富社長 科学技術庁長官賞
1994年(平成6年)、当社の大塚正富社長が科学技術振興に尽力し、優れた業績をあげたことにより、第14回科学技術庁長官賞を授与しました。受賞理由として、従来の燃焼剤の代わりに水を使用した発熱機能により効率よく蒸散させ、衛生害虫を駆除する「ア−スレッド」を開発したことによります。
●「ベストクオリティで世界と共生」
「どこにもないものを生み出す」という独創の精神。「使い易さ・効果・コスト」などの市場の要求に応えるフレキシビリティ。この二つの要素がバランスよく備わっていることが、市場を拓くための画期的な商品を創造する土壌となっているかも知れません。「ベストクオリティで世界と共生」を社是とし、独創的な発想から、最高レベルの品質で、お客様に豊かで快適なワンランク上のライフスタイルの提案を今後も努めてまいります。
|